2012.05.14 Monday
ありがとう。
お袋へ、
母の日にならなければその存在に感謝出来ない愚かな息子ですが、元気にしています。
数ヶ月前に故郷に帰った時、貴方の老いた姿に胸が締め付けられる想いがしました。
2年…。
たった2年会わなかっただけでこれ程に人は老いてしまうものなのかと。
否、歳月のせいではない。
その2年の間に何があったか。
弱くなってゆく身体。
大病を患う親父。
止むを得ない離婚。
お金の事。
とめどない孤独感。
あの時貴方のおすすめの喫茶店に入り、貴方のおすすめの焼きそばを食べ、食後のコーヒーを飲みながら不意に見せた貴方の涙は悔しさとやり切れなさに溢れていて…………僕は……あの時の僕には、「お袋はそのままで良いよ。何も間違っちゃいないよ…。」と、貴方の生き方をただただ肯定する事しか出来なかったけれど、その一言で貴方の涙の色が変わった事に浅はかな安心感を覚えました。
一丁前に「ここは僕が払うから…」と胸を張ってレジへ向かったけれど、外食で貴方にご馳走をしたのはあの時が初めてだった事に気づいたのは東京へ戻る新幹線の中で…。
そのあまりの恥ずかしさに僕は瞳の中に一切の光を入れられず、渾身の力を込めて瞼を閉じていました。
全てを兄貴と舞にまかせ、東京で暮らす僕には何も見えていなかった。
兄貴や舞が気を使って僕に何も言わないからじゃない。
僕が見ようとしていなかったんだ。
久しぶりに帰郷した時、自分の足元が如何にグラグラしているかを思い知らされたんだ。
明日、僕はまた一つ歳をとります。
己のアイデンティティのあやふやさに毎年頭をかきむしりながら。
「じゃあ、また…。」と背を向けた貴方の小さな背中を思い出し、「僕は元気でいます。笑って生きます。」と、それだけが今の僕に出来る唯一の事だとしても、きっと貴方はそれを喜んでくれると信じて歳をとろうと思います。
近い内に必ず手紙を書きます。
お母さん、
僕を産み育ててくれてありがとう。
北斗より。
母の日にならなければその存在に感謝出来ない愚かな息子ですが、元気にしています。
数ヶ月前に故郷に帰った時、貴方の老いた姿に胸が締め付けられる想いがしました。
2年…。
たった2年会わなかっただけでこれ程に人は老いてしまうものなのかと。
否、歳月のせいではない。
その2年の間に何があったか。
弱くなってゆく身体。
大病を患う親父。
止むを得ない離婚。
お金の事。
とめどない孤独感。
あの時貴方のおすすめの喫茶店に入り、貴方のおすすめの焼きそばを食べ、食後のコーヒーを飲みながら不意に見せた貴方の涙は悔しさとやり切れなさに溢れていて…………僕は……あの時の僕には、「お袋はそのままで良いよ。何も間違っちゃいないよ…。」と、貴方の生き方をただただ肯定する事しか出来なかったけれど、その一言で貴方の涙の色が変わった事に浅はかな安心感を覚えました。
一丁前に「ここは僕が払うから…」と胸を張ってレジへ向かったけれど、外食で貴方にご馳走をしたのはあの時が初めてだった事に気づいたのは東京へ戻る新幹線の中で…。
そのあまりの恥ずかしさに僕は瞳の中に一切の光を入れられず、渾身の力を込めて瞼を閉じていました。
全てを兄貴と舞にまかせ、東京で暮らす僕には何も見えていなかった。
兄貴や舞が気を使って僕に何も言わないからじゃない。
僕が見ようとしていなかったんだ。
久しぶりに帰郷した時、自分の足元が如何にグラグラしているかを思い知らされたんだ。
明日、僕はまた一つ歳をとります。
己のアイデンティティのあやふやさに毎年頭をかきむしりながら。
「じゃあ、また…。」と背を向けた貴方の小さな背中を思い出し、「僕は元気でいます。笑って生きます。」と、それだけが今の僕に出来る唯一の事だとしても、きっと貴方はそれを喜んでくれると信じて歳をとろうと思います。
近い内に必ず手紙を書きます。
お母さん、
僕を産み育ててくれてありがとう。
北斗より。
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